HIV感染症の治療
HIVウイルスの増殖、進行を抑える
エイズの発症を抑えるには、HIVの成熟を抑えるプロテアーゼ阻害剤、HIVの複製を妨げる逆転写酵素阻害剤があります。これらを組み合わせた抗HIV療法(ART)が大きな効果を上げています。
しかし、個人によって副作用に差がある、薬によって服用時間がまちまち、経済的負担が大きい、途中で服用をやめるとHIVウイルスが薬に対して耐性を持ってしまうなど、問題点もありますので主治医との連携を密にして、きちんと指示に従ってください。
日和見感染症の治療
日和見感染症とは、HIVウイルスが体内で増殖を繰り返し、免疫が低下することにより、体が体外の病原体、体内の細胞異常に対して効力を失い、細菌、原虫、カビなど、健康な時には全く問題のないものに対して感染症を起こす状態です。かかった本人の状態により、活発に活動したり休止したりすることから「日和見」という名前がつきました。
このほか悪性腫瘍ができることもあり、これをもってエイズの発症とされます。これらの感染症は、エイズでなくてもかかる病気ですが、ここでは体内にHIVウイルスを持った状態で発症した場合を指します。HIV感染者が必ずエイズを発症するかはまだわかっていません。
各感染症に対しては、治療方法が確立されています。また、患者の免疫低下レベルを調べることにより、どのような感染症を発症する可能性があるかを判別することができるので、事前に発症を食い止めることも可能になっています。
ご意見等は、石川県立中央病院 HIV事務室(hiv-jimu@ipch.jp)までお寄せください。